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-これからのアルファ化米粉の可能性を探る

アルファ化米粉の製造工程

特徴

アルファ化米粉の製造工程においての特徴は、加水・加熱されたベータ米を一連の工程で加熱・急速乾燥しアルファ化することにより、アルファ化米粉は殺菌されたものであることが挙げられます。また、グルテン等の混入が起きにくい工程となっています。

アルファ化米粉は結晶化したベータデンプンを非晶化したデンプンにすることにより製造されるものですが、アルファ化米粉を食品加工に応用する場合はアルファ化米粉の品質特性と加工特性が製品に影響します。アルファ化米粉の製造機械の種類により、製造工程は異なる点があるが、糊化(アルファ化)度、粒度分布、水分などが品質特性・加工特性において分析すべき内容と考えられます。なお、アルファ化米粉においては、その使用目的から澱粉損傷は考慮外でよいと考えられます。

通常の製造機械

ホットロール

特徴…

和菓子などに使用されるみじん粉などの製造に使われる。ホットロールにバーナーが入っており、ロールを300度くらいに温め、上から生地を落としロールに挟みながら焼きます。せんべい状になり出たものをロール製粉機で粉にする。従来からの製法で和菓子業界では現在でも使用されています。

製造工程…

みじん粉

エクストルーダー

特徴…

米に水を加え、熱を加えながら混合・圧縮し、アルファ化させた生地を、高温高圧状態の庫内から一気に常温常圧下に放出することにより、生地が「ポン菓子」のようにパフ化(膨化)する。このパフ化した生地を微粉砕する製造方法です。

製造工程…

アルファ化米粉

このアルファ化米粉製造工程は原料米から出荷まで完全な一貫製造工程モデルです

加熱・せん断方式

特徴…

加熱・せん断方式は、従来の糊化と乾燥を組み合わせたものではなく、炊飯・加水を必要としない。粉砕まで一貫製造工程で行われ、この方式では非晶化にお いて加水の必要がないため、老化が起こることはない。また、結晶化まで十数秒という短時間ですみ、低コストでの製造が可能です。

製造工程…

アルファ化米粉

生米(水分:約15%)を温度制御した臼で加熱・粉砕することで、加水・炊飯工程を経ることなく瞬時にアルファ化できる従来にないシステム。

最新アルファ化米粉製造業者のご紹介

日本国内でアルファ化米粉を製造しているJA岐阜、山形大学と連携している(株)アルファテック、99%アルファ化度のパフを実現した(株)幸和工業、新たなアルファ化米粉を開発しているグリコ栄養食品の4事業者への取材結果の要約を記します。

JA全農岐阜

米のグルタミン酸が内在酵素の作用でγ-アミノ酪酸(GABA・ギャバ)に転換により、発芽玄米を膨化加工し粉にする技術を開発して、さまざまな食材用途や健康食品として利用が可能です。

山形大学&
(株)アルファテック

温度制御型粉砕技術に基づいて、穀類を水なしに簡便にアルファ化させることが可能です。本技術を飼料・畜産、食品、バイオマス分野へ展開を企図しています。

(株)幸和工業

⾷品機械技術を活かし、⼩⻨粉の代わりとなる⽶粉を使⽤したグルテンフリー素材の開発にも積極的に取り組んでいます。

グリコ栄養食品(株)

各種小麦グルテンを製造・販売しており、独自の配合により、安定的に米粉パンを製造できます。また、小麦グルテン不使用でもパンを焼ける技術を有しています。